2017年10月に東京・浅草にオープンした「Hacco’s Table(ハッコーズテーブル)」は、その名の通り、発酵食をメインとしたレストラン。オープン時には同店のアドバイザーでもある東京医科歯科大学・藤田紘一郎名誉教授が講演し、発酵食品と腸内環境について情報を説明しました。
「免疫力の70%は腸内細菌がつくりますが、現代は食生活の変化やストレス社会によって、多くの人が腸内細菌の数を減らし、バランスを崩しています。腸内環境をよくするには、善玉菌を優位にし、日和見(ひよりみ)菌を増やす必要があります」
腸内には善玉菌と悪玉菌の他に、日和見菌という菌もいます。日和見菌は中立の立場ですが、最も数が多く、善玉菌と悪玉菌の優勢なほうに加担する性質があるそうです。
「発酵食品は、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌と多種類の日和見菌からなっています。そのため、発酵食品を取ると、善玉菌と日和見菌が増え、免疫力が高まり、さまざまな病気が改善するんです」(藤田教授)
腸内環境を整えるには、良質な発酵食品を多く取るのが近道。そのためにも、発酵グルメ専門店のアイデアを参考にしたいものです。
Hacco’s Tableの料理は、自家製の塩こうじやしょうゆこうじ、甘酒などの発酵調味料を活用。和食をベースとしつつも、イタリアンや中華のエッセンスも取り入れ、味はもちろん目で見ても楽しめるフォトジェニックなビジュアルも特徴です。
カラフルな色使いが目を引く「肩ロース 塩麹漬け厚切りポークジンジャー」は、ロース肉に塩こうじとすりおろしたショウガを塗り、一晩以上寝かせてから焼き上げたもので、肉はほのかに甘くて軟らか。さらに、肉の味を引き立てるソースも発酵調味料がベース。甘酒のまろやかな甘みにしょうゆのコクと白ワインの酸味を効かせた特製のしょうゆ甘酒ソースを合わせてあり、細部にまで専門店のこだわりと技が光る一皿です。