カルチャー

作り手と買い手をむすぶプラットフォーム「musubite」開設​

musubite

作り手と買い手をむすぶプラットフォーム「musubite」の開設

デザインの素晴らしさは、すべての可能性を秘めている。 それは世界に広がる社会問題を解決していけることだろう。今回、そんな社会的課題を解決するデザイン・サービスを提案している団体を紹介したい。その団体の名は「musubite(むすびて)」である。 この団体は”ものづくりの街” 台東区に活動の拠点を置き、作り手と買い手いをつなぐプラットフォームを通じて、新しいデザインを社会に提案している。

[musubiteのメンバー]
東京都・台東区に「食」のフラッグシップを立ち上げて、食べることの重要性を料理やイベントなどで発信しているショップ関係者が立ち上げた任意団体である。

musubiteの発起人
ライフフードデザイナー・岡部 勝義さん。 LIFE FOODが食べられるレストラン「et vous?」のオーナーシェフ、表現の仕方を『人生=LIFE』と考えた時、ありのままを価値のあるものとして表現すべく、“musubite”と料理と生活をデザインでつなぐ料理の食べ方、『LIFE FOOD』を提唱し活動中。

プロデューサー 石島 誉士さん。大手会社の飲食プロデューサーで企画を担当。その後、海外ブランドの国内誘致に参画。プロモーション・PRするなど飲食店のプロデュースを手掛ける。2018年、東京・浅草に発酵食専門店「Hacco’s Table」を立ち上げる。

アートディレクター 吉田 亮さん。 アートディレクターとして、エンタメ業界・家電メーカー・ハウスメーカー・観光地誘致・各種学校などのブランディングからプロモーション企画・クリエイティブまで様々なプロジェクトに携わる。

musubiteでは、作り手と買い手をむすんだ新しいデザインあり方を提案するプラットフォームを構築した。デザインが生まれる場所はさまざまである。日常のありふれた光景から誕生もあれば、制作の失敗から発見することもあるだろう。 musubiteがつなぐのは、作り手は「社会福祉施設」に通う知的障害・発達障害の利用者、買い手は化粧品、アパレル、食品・飲料などの消費財メーカーである。

福祉施設で行われている創作活動や自立性を養う療育の中で生み出されるものは単なる鑑賞作品でない。 日々の創作活動などで作り出された作品は「純粋さ」・「刺激的」・「力強さ」のある作品でまさにアートという表現に近い。 社会に送り出された作品はカタチを変え、人に感動を与える、社会や人の役に立つものに変わる。

musubiteの理念でもあるプラットフォームの考えは “作り手と買い手の関係は同じフィールドで対等にある“ こと。 その枠組みの中でコミュニケーションを形成し、デザインを生み出して、社会に必要な商品・サービスを作り上げていく。 musubiteが作り出すサービスはコミュニケーションの場を生み出すショールームのようだ。

福祉施設から集められたアート、デザイン性の高いプロダクトに変わる

作り手とは、社会福祉の施設に通う人々。施設の中では作業療法を据えた創作活動や生産活動がある。既存の美術や教育などに左右されず、自分の感じたありのままを、内面から湧き出てくる感情を表現している。普段、ある子供は施設に通っている。ひとたびペンや筆を持つと、 その姿はまさに作者、 独自の世界観を表現した製作物がアートに変わる。 作者の作品を観るとその世界に酔いしれる。 創作されたものはmusubiteを通じて、デザイン性を備えたクォリティの高い商品に変わる。

すでに東京都の福祉施設と協働して、商品の熨斗として福祉施設の利用者のイラストを採用するなどテストマーケティングは実証済み。商品を注文したユーザーからもイラストの評判も上々とのこと。 今後のmusubiteの活動としては、消費財メーカーに商品パッケージやTシャツの絵柄として採用できないか企業へのアプローチを行っていく予定。この他に一般ユーザーを招待した展覧会の開催していき、musubiteの活動を広く知ってもらう機会を増やしていくようだ。

「musubite(むすびて)」の活動領域
社会福祉の日常活動における余暇作業(創作活動)の副産物として扱われてきた作品を個々人の内面に充実に留めることなく、地域とのつながりを形成し、社会に向けた発信、新たな価値観を提案していく。 今後のmusubiteのアートでつなぐ活動に注目したい。

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